| ブログ |
|---|
最近の診療で、少し気になることがあります。
「歯が痛いので診てもらいたい」
そう言われてレントゲンを撮影し、目で確認してみても、明らかなむし歯や大きな異常が見つからない。
それなのに、患者さんは確かに痛みを感じている。
こうしたケースが、最近少し増えているように感じています。
歯科医師として診療していると、「痛みがある以上、何か原因があるはず」と思いながら、慎重に診査を進めることがあります。
マイクロクラックは見つけるのが難しいことがあります
原因のひとつとして考えられるのが、マイクロクラックです。
マイクロクラックとは、歯に入った非常に細かなひびのことです。
肉眼ではほとんどわからないこともありますし、レントゲンを撮っても、ひびそのものがきれいに写るとは限りません。
そのため、
「レントゲンでは問題ありません」
と言われても、実際には歯の内部や根の周囲で問題が起き始めていることがあります。
もちろん、すべての痛みがマイクロクラックによるものというわけではありません。
だからこそ、痛みの出るタイミングや噛んだときの感覚、冷たいもの・温かいものへの反応など、患者さんのお話をできるだけ詳しく伺うようにしています。
「神経を取る」という判断は、できるだけ慎重に
診療をしていていつも思うのは、できることなら歯の神経は残してあげたいということです。
歯の神経を取れば痛みの原因を取り除ける場合もあります。
ただ、「痛いから神経を取る」という単純な判断ではなく、本当に神経を取る必要がある状態なのかをできるだけ慎重に見極めたいと考えています。
患者さんにとっては、ご自身の歯は一本一本が大切なものです。
私たちにとっては毎日の診療の中の一本の歯でも、患者さんにとっては何十年も使ってきた大切な歯かもしれません。
だからこそ、できるだけ残せるものは残したい。
これは、開業してから診療を続けてきた中で、私が大切にしていることのひとつです。
ただし、無理に神経を残せばよいわけではありません
一方で、神経を残すことだけにこだわるのも良くないと思っています。
神経の状態によっては、適切なタイミングで根管治療を行ったほうが、結果的に歯を長く残せる場合もあります。
また、根の治療は非常に繊細で、歯の形や根の状態によって難易度が大きく変わります。
当医院は、根管治療だけを専門に行っている医院ではありません。
そのため、診断が難しい症例や、より高度な根管治療が必要だと判断した場合には、根管治療を専門とする先生をご紹介することもあります。
これは決して「自分の医院では治療できないから」というだけではありません。
専門医のほうがより適切に診断・治療できるのであれば、患者さんにとってそのほうが良い。
私はそう考えています。
「原因がわからない痛み」こそ、焦らずに
歯の痛みというのは、本当に難しいことがあります。
患者さんは「ここが痛い」と感じていても、実際に原因となっている場所が別のところだったり、初期の段階ではレントゲンに変化が出ていなかったりすることもあります。
だからこそ、すぐに結論を出すのではなく、できるだけいろいろな可能性を考えながら診ていきたいと思っています。
「レントゲンでは問題ないと言われたけれど、まだ痛い」
「噛むと特定の歯だけ痛む」
「何となく痛いけれど、どこが原因なのかわからない」
そんなときは、どうぞ遠慮なくご相談ください。
歯を残すためには、治療することだけでなく、必要以上に治療しないことも大切です。
これからも、一人ひとりの患者さんの歯をできるだけ長く残せるように、
焦らず、丁寧に診療していきたいと思っています。
