咬み合わせ |
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私たちが普段何気なく行っている些細なクセや習慣が、知らないあいだに歯や顎にダメージを与え、身体にさまざまな影響を与えている場合があります。
例えば、日中の食いしばりや睡眠中の歯ぎしり。通常、脳は歯や顎に負担をかけないように、噛む力を制限しています。しかし、日々のストレスなどによって食いしばりや歯ぎしりが生じると、固い食べ物を食べるときの約8倍もの力が歯や顎に加わるのです。
こういった行為が習慣化し、繰り返し行われるようになると、歯や顎への負担は次第に蓄積され、顎関節や咬み合わせに問題を引き起こします。「顎に違和感がある」「慢性的な頭痛や肩こりを抱えている」という方は、こちらでご紹介する内容をぜひ参考にしてください。
咬み合わせが悪くなる原因のほとんどは、私たちが日常生活を送るなかで何気なく行う習慣によるものです。
特に、以下のようなクセや習慣がある方は普段から十分に気をつけておく必要があるでしょう。
極度のプレッシャーやストレスを感じると、口周りの筋肉が無意識にこわばり、睡眠中の歯ぎしりや日中の食いしばりを引き起こします。
こうした行為が習慣化すると、歯へのダメージが蓄積して咬み合わせが悪化します。
いつも決まった方の足を上にして足を組む、決まった方の肩にバッグを掛けている、就寝時にはいつも同じ方向を向いて寝ている、といったクセのある方は要注意です。
このような姿勢を繰り返していると、身体が徐々に歪み、咬み合わせにも影響が現れる場合があります。
咬み合わせが悪くなる代表的なクセに、「頬杖をつく」という行為があります。例えば、あなたはテレビを見るとき、いつも決まった方向に向いて頬杖をつきながら画面を見ていないでしょうか?
こうしたクセは、顔の一部へ継続的に力が加わることで、骨が変形して咬み合わせに悪影響をおよぼす恐れがあります。
そのほか、食べ物を右の歯で噛むことが多い、といった「噛みグセ」にも注意が必要です。
悪い習慣によって咬み合わせが悪化すると、以下のような悪影響が現れる場合があります。
咬み合わせが悪くなると、虫歯のリスクが高まります。
通常、歯は噛むときに、歯と歯がぶつかり合うことである程度の汚れを自然に落としてくれます。
しかし、咬み合わせが悪化すると歯のぶつかる面積が小さくなるため、汚れが十分に落とされないことで虫歯になりやすくなります。
咬み合わせが悪いと噛んでいる歯に負担がかかるため、歯周病になりやすくなります。
また、人は30歳を過ぎるあたりに身体の抵抗力が衰えはじめるため、歯周病のリスクはさらに高まります。
歯が凸凹していたり、斜めになっていると、ブラッシングが歯の隅々まで行き届かないことに加えて歯科治療も困難になります。
片方の歯だけで噛むクセ(噛みグセ)が習慣化して咬み合わせが悪化すると、顔の筋肉(表情筋や咀嚼筋)がバランスを崩して顔が徐々に歪んできます。
また、顔の筋肉の下にある骨は筋肉の厚みによって変形するため、結果として顎の形も変わってしまう恐れがあります。
咬み合わせが悪いと、顎の関節から頭の横につながる筋肉(側頭筋)が緊張を起こし、慢性的な頭痛の原因になる場合があります。
噛む筋肉がバランスを崩すと、首や肩にかけて繋がっている広頸筋(こうけいきん)に負担がかかって肩こりを引き起こしやすくなります。
当院の咬み合わせ治療では、咬み合わせの悪化によって生じるさまざまな症状を軽減・緩和するための治療を行います。
咬み合わせが悪くなる原因は人によって異なるため、まずは問診と検査によって咬み合わせ悪化の原因を特定し、1人ひとりの患者様に合った最適な治療プランをご提案いたします。
歯ぎしりや食いしばり、頬杖、猫背、うつぶせ寝といった日常的なクセや習慣によって咬み合わせが悪化している場合は、普段の生活習慣を見直すセルフケアを中心に治療を行います。
基本は「顎に負担をかけないこと」を意識していただき、食いしばりや歯ぎしり、頬杖といったクセが出ないように心がけてもらいます。また、片方の歯で噛むクセのある方は、両方の歯で均等に噛むように注意していただきます。
さらに、関節まわりに加わった負担を解消するため、顎の筋肉の緊張をほぐすマッサージやストレッチ法についてもご指導いたします。
顎関節への負担が大きく、開口時に痛みが生じていたり、炎症が起きている方には鎮痛剤や消炎剤をお渡しいたします。これにより慢性化した炎症を抑え、痛みを緩和します。
顎の正しい位置を身体に覚えさせるため、シリコンやレジンを素材に使ったマウスピースを当院にて作製し、装着していただきます。これにより、顎関節にかかる負担を軽減して咬み合わせを修復します。
睡眠中の歯ぎしりによって歯が擦り減り、これが咬み合わせ悪化の原因となっている場合には、歯の摩耗を防ぐためのマウスピース(スリープスプリント)を作製し、就寝前に装着していただきます。 すでに歯が激しく擦り減ってしまっている患者様に対しては、仮歯や矯正、セラミックなどを使って擦り減った部分を補填する処置を行う場合があります。